アクアスケーピングの世界へようこそ!
アクアスケープがどうやって出来上がるのか、ステップごとに丁寧にご案内します
カラフルな水草グループを使った60-Pレイアウト
私たちはアクアスケーピングが大好きです!
アクアスケーピングは、アクアリウムという趣味の魅力に、創造性と自然への感性を掛け合わせたものです。水草・石・流木・水から生まれるのは、生き生きとした表情を持ちながら、自分らしいスタイルを映し出す小さな水中の景観。それこそが、私たちがアクアスケーピングをこれほど特別に感じる理由です。
とはいえ、最初はいろいろと戸惑うことも多いはずです。どの水草を組み合わせればいいのか、レイアウトはどう考えればいいのか、ソイルやハードスケープはどれくらい必要なのか――。このチュートリアルは、そんな最初の一歩を後押しするために作りました。アイデアを思いついてから完成したアクアスケープに至るまで、一般的な流れに沿ってアクアリウムデザインの基本をステップごとにご紹介します。Scape Itを使えば、レイアウトをその場で計画し、目に見える形で確認しながら進められます。アクアスケーピングは最初の壁でつまずくものではなく、何よりも楽しむためのものですから!
60-Pサイズは横幅と高さのバランスが取れたフォーマット
ステップ1:水槽サイズを選ぶ
アクアスケープ作りの第一歩は、水槽選びです。水槽のサイズや形は、使える水草や素材だけでなく、完成したレイアウトの印象そのものを左右します。奥行きの浅い水槽は横に広がるパノラマ的な景観に向いていて、背の高い水槽なら大きな水草や存在感のあるハードスケープにより多くのスペースを使えます。
このチュートリアルでは、奥行きの浅い水槽「ADA 45-F(45×27×20cm)」を選びました。このサイズなら十分な奥行きのある調和的なレイアウトを組みやすく、それでいて各ステップも把握しやすいというメリットがあります。
初心者へのワンポイントアドバイス: まずはデザインに集中したい、生体はまだ飼わない、という場合は、20〜60リットルほどの小さめの水槽から始めるのがおすすめです。扱いやすく必要な素材も少なくて済むので、最初のアイデアを気軽に試しながら経験を積んでいけます。
奥行きの浅い水槽はパノラマ風のレイアウトに向いている
後方に向かって高くなる黒いアクアソイルの底床
ステップ2:底床を選んで整える
底床は水草を育てるための土台であると同時に、レイアウトを構成する重要な要素でもあります。今回のレイアウトでは、水草水槽の定番であるブラックアクアソイルを使用します。有機質とミネラル分をバランスよく含んでおり、水草がしっかり育つための土台になってくれます。
底床の形にも、少し気を配ってみる価値があります。今回のレイアウトでは、手前から奥に向かって徐々に高くしていきます。この高低差によって奥行き感が生まれ、奥のエリアが視覚的に遠く感じられるため、水槽全体がより広く立体的に見えるようになります。特に奥行きの浅い水槽では、このシンプルな工夫だけで大きな効果が得られます。
ワンポイントアドバイス: 特定のエリアでソイルを5cmよりかなり高く盛りたい場合は、下地に溶岩石のような多孔質の素材を使うのがおすすめです。そうすることで、大量のアクアソイルを使わなくても、狙った場所にしっかりとボリュームを出せます。あとはその上にソイルを敷き詰めて、好みの形に整えるだけです。
Scape Itエディターなら、さまざまな背景シートを気軽に試せる
ステップ3:背景シートを選ぶ
背景シートは、思っている以上にアクアスケープの印象を大きく左右します。レイアウトの背後に落ち着いた面を作り出し、奥行き感をプラスし、水槽全体の雰囲気も決めてくれます。さらに、水槽の裏にあるケーブルやチューブ、機材などを目立たなくする手軽な方法でもあります。
定番の単色シートのほかにも、特別な光の演出や印象的な効果を作り出せる照明付きの背景もあります。ただ、最初のうちはシンプルに保つのがおすすめです。そこで今回は、白い背景シートを選びました。明るい背景はハードスケープや水草と落ち着いたコントラストを生み、みずみずしい緑色をより鮮やかに引き立ててくれます。水草多めのレイアウトでは特に、明るい背景があることで一つひとつの水草や構造がより際立ちます。
ホーンウッドで骨格を組み立てる
黄金比を使うと、レイアウトに自然なフォーカルポイントを置きやすい
ステップ4:ハードスケープを組む
ハードスケープは、アクアスケープの骨格となり、完成後のレイアウトの印象を大きく左右する要素です。今回は石を使わず、ホーンウッドの枝のみで構成し、落ち着きのある調和した仕上がりを目指します。密に絡み合った木の構造がレイアウトの主役となり、一部の枝が水面から突き出ることで、自然でダイナミックなシルエットが生まれます。
ハードスケープを配置する際は、ガイドラインを使うことで構図を意識的に組み立て、重要なフォーカルポイントを決めやすくなります。今回は黄金比をひとつの目安にしています。バランスが取れていながらも見応えのあるレイアウトを作るのに役立つ、人気のデザインルールです。
ヒント: Scape Itでは、さまざまなガイドラインやツールを使ってレイアウトを精密に計画したり、いろいろな構図を試したりできます。プランニングツールについて詳しくはこちらをご覧ください。
黄金比などのデザイン原則について詳しくは、アクアリウム・レイアウトガイドをご覧ください。
背景:エレオカリス・アキクラリス
中景:ヒドロコティレ・ベルティキラータ
ステップ5:水草を選んで植える
特に始めたばかりのうちは、水草の種類を絞って作業するのがおすすめです。3〜5種類もあれば、調和が取れていながらも変化のあるレイアウトを十分作れます。似た形の水草でベースとなる落ち着いた構造を作り、そこに対照的な種を組み合わせることでアクセントを加えられます。今回のレイアウトでは、草状の2種類のエレオカリスがベースとなり、丸い葉を持つヒドロコティレ・ベルティキラータが印象的なコントラストと見どころを作り出しています。
植栽は奥から手前に向かって進めていきます。まず背の高い背景の水草から始め、その後に中景、前景の水草を配置します。今回のレイアウトでは、まずエレオカリス・アキクラリスを背景に植え、次に枝の間の中景にヒドロコティレ・ベルティキラータを配置します。最後に、残った空間をカーペットプランツのエレオカリス・プシラで埋めていきます。
これでアクアスケープの計画は完成です。一つのアイデアから、ステップを重ねて一つの完成したレイアウトが生まれました。
前景のカーペットプランツ:エレオカリス・プシラ
同じアクアスケープをターコイズ色の背景シートに変更
Scape Itのヒント:バリエーションを試してみる
完璧なレイアウトは、最初の一回で完成することはあまりありません。ちょっとした変更でも、水槽の印象は大きく変わるものです。背景を変えてみる、水草の種類を入れ替えてみる、ハードスケープの一部をずらしてみる――ときには、そんな小さな変化こそが決定的な違いを生み出します。
Scape Itを使えば、実際の水槽をその都度組み直すことなく、さまざまなバリエーションを手軽に試せます。異なるアイデアを見比べたり、新しい組み合わせを発見したりしながら、自分らしいスタイルに一番合うデザインを見つけてください。
Scape Itは、アクアスケーピングの第一歩を後押ししながら、あなた自身のアイデアを形にする自由も大切にしたいと考えています。だからこそ、いろいろ試して、自分らしくデザインして、何よりもスケーピングを楽しんでください!
中景にクリプトコリネ・アルビダ『ブラウン』を使ったバリエーション